アクアリウム水草の管理とトリミング

水草管理のポイント

水草は全世界から輸入されていて、それぞれの性質もかなり異なります。そのため、これらを1つの水槽に何本も植えてレイアウトを管理するためには、かなり面倒な作業が必要です。しかし、その分楽しみの満足度は大きく、人気を博しているのもよくわかります。レイアウト水槽に魚を入れるか、入れないかの選択によって水温もろ過も、二酸化炭素の入り方も若干違ってきます。ここでは、それらを全部挙げて説明するのは困難なので、初心者のポイントだけを述べることにします。詳しくは、水草の専門店などを探して、具体的に聞いてみて下さい。水草には、光と二酸化炭素、底砂、肥料、水温の管理が必要です。水草の種類によって若干の違いがあるので、水草選びも重要なポイントとなります。どのようなイメージの水槽を作りたいのか、アイデアをまとめてから、なるべく育成条件の合う草を選びましょう。育成条件の違う多種類の水草を買って植え込むと、1週間のうちに無惨な状況に陥ってしまいます。水草を楽しみたい場合は、魚は小さくて丈夫なもの(水温が低めでも飼える種がよい)だけに限った方がよいでしょう。いろいろな種類の魚を多く入れると、水草育成の条件とのバランスがとれず、水草は枯れてしまいます。

(水草メインの水槽の日常の管理)

・1日8~10時間の照明
・二酸化炭素の添加
・肥料の添加
・月3回、3分の1量の水替え
水質と水温はなるべく同じレベルに保つ。水温は22℃を目安にして、高くしない。弱酸性~中性の軟水が平均
・トリミング

水草のトリミング

水槽の中の環境のバランスが取れていれば、水草は盛んに光合成を行なって生長しようとする。しかし、古い葉を取り除いたり株を分けたりしないと葉が小さくなったり全体の形が悪くなることがある。また、増えすぎても水槽の中が雑草だらけの庭のようになってしまい、魚がろくに見えなくなってしまうことにもなりかねない。水草が生長して増えれば、新しい水草をあまり買わなくて済むなどと考えてしまうこともあるが、手入れをしないでそのままにしておくと、水槽内の環境バランスが崩れて、急に水草が枯れはじめることもある。そのために、水草のトリミングが必要になる。トリミングの目的は、水草を美しく生長させることと、水槽内がきれいに見えるようにすることだ。生体が居なければ毎月1回程度を目安に水換えの時に行なえばよいが、水草の生長具合や水槽内の様子を見て随時行なえば良い。トリミングを行なう時も、あせらずていねいに行ないたいので、準備が大切だ。床が濡れないように、園芸用のプラスチックの大きなトレーを用意すると便利だ。床に座ってじっくりとトリミングができる。

アヌビアス・ナナとミクロソリウムのトリミング

枯れて黄色くなった葉や傷んだ葉は、もったいないようでもどんどん取り去ってしまう。そうした方が新しい葉の生長を促進するからだ。葉は、手で他の葉を傷つけないように注意しながら取り去る。根も枯れたり色が変わっている部分は取って捨ててしまう。伸びた茎をそのままにしておくと、ねじ曲がって密集してしまい生長が妨げられるので、見栄えのいい大きさになるように切る。脇に茎が別れている場所があればその手前の部分をていねいに切り離すが、あまり小さく切り離さなければ、どこで切っても問題はない。どの葉にも十分に 光りが当たるようにすっきりとトリミングするのがコツだ。


ミクロソリウムもやはり新しい葉を出しながら、茎が横に伸びて増えていくが、活発に生長するとすぐに密集して枯れ葉も増えてしまう。まず、枯れてしまっている葉はもちろん、ちょっと色が変わって黒ずんできている葉もどんどん取り去ってしまおう。また、小さな子株が葉の先端に出ていたらその葉もカットする。子株はそのまま水槽内に漂わせて、少し大きくなったら植えれば生長することもある。黒くなって無用に伸びた根も切ってしまおう。

ウィローモスのトリミング

流木に活着させたウィローモスも、怪魚水槽にいれるには便利な水草だ。大きくて活発な魚が入っていると荒らしてしまって活着させることそのものが難しい場合もあるが、うまく着けば水槽のなかで良い雰囲気を出してくれる。増え過ぎると綿のようにモワモワとなって見栄えが悪くなりやがて流木からはがれるようになってしまう。はがれたウィローモスはフィルターのストレーナー(吸水口)にからまるので、トリミングの必要がある。方法は簡単で、流木から離れかけている部分をハサミでカットすればよい。カットしたウィローモスはまた別の流木に活着させると伸びてくる。

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