アクアリウム混泳相手に気をつけて

1.水質について

いよいよ熱帯魚選びですが、自分の好みだけで熱帯魚をどんどん水槽に入れてよいわけではありません。1つには、熱帯魚によって好ましい水質(ペーハー)が違うということがあります。一番好まれるのが弱酸性の水質で、南米やアジア産などの多くの熱帯魚がこの水質です。一方、アフリカ湖産シクリッドなどは弱アルカリ性を好み、汽水魚に至っては塩分が必要となります。異なった水質を好む熱帯魚を一鰭にせず、飼いたい熱帯魚に合った水質を作るようにして下さい。

●水質の調整の仕方

日本の水道水はほぼ中性、ろ材に麦飯石を使うと、中性~弱酸性になります。水質をてっとり早く弱酸性にしたい時は、流木や市販されているピートモス(泥炭)を水槽に入れます。ディスカス、アビスト、卵生メダカなど、水質に敏感で弱酸性を好む熱帯魚には、イオン交換樹脂を使わないと安定した水質は作れません。逆に弱アルカリ性にしたい場合は、ろ材にサンゴ砂を使用して下さい。ペーハー降下剤や上昇剤も市販されています。ただし、多くの熱帯魚は好ましい水質に許容範囲があります。徐々に慣らせば、弱アルカリ性を好む魚と弱酸性を好む魚を、中性の水で泳がせることも可能なのです。水質に敏感なディスカスや、アフリカ湖産シクリッドなど、一部の熱帯魚以外は、それほど神経質にならなくてもよいでしょう。

2.混泳をさせるには

熱帯魚 ケンカ

いろいろな熱帯魚を、1つの水槽に泳がせる(コミュニティ・タンクという)時、問題になるのが組み合わせ。水槽内でいじめが起きると逃げ場がありません。そのため組み合わせに失敗すると、たいていはいじめ殺されるという最悪の結末を迎えます。バランスや個体差もあるので一概にはいえないのですが、温和で同サイズのものを組み合わせる事を基本に、次のことを守ってください。

●体格に3倍以上の差をつけない
一緒にする熱帯魚のサイズはなるべく同じくらいにして、体格に3倍以上の差がつかないようにしましょう。特に補食関係にあるものは、一緒にできません。例えばディスカスやエンゼルフィッシュの成魚は、ネオンテトラやオトシンクロスなどを食べてしまいます。
●気の強い熱帯魚に注意する
気の強い熱帯魚は、それよりも大きなものや行動範囲の違うものと組み合わせます。他の熱帯魚を攻撃するものは単種飼いを、逆に同種を攻撃するものは他種と。あらゆるものを攻撃する熱帯魚なら1匹飼いしかありません。また普段は温和でも、発情期になると気の強くなる熱帯魚もいますから、セパレーターを1つ用意しておくとよいでしょう。
●昼行性と夜行性
夜行性のプレコなどが夜に盛んに動き回ると、昼行性の熱帯魚が寝不足になってしまうことがあります。そこで流木、石、水草などを入れ、シェルターを作るとある程度カバーできます。
●水流を好むものと好まないもの
グッピー、ベタ、グラミィ、エンゼルなど、ヒレの長い熱帯魚は、水流が強いとあおられて弱ってしまいます。上部フィルターにL字型の排出口をつけ、水流を横に流すことで直接当たらないようにして下さい。一方、渓流に棲むホンコンプレコや、タイガープレコなどプレコ類の一部は、強い水流を好みます。上部フィルターの排出口付近に、彼らが好む石や流木を置いて、水流が当たる場所を作ってあげましょう。できれば水中モーターを入れ、水流を作る方が長生きします。
●相性の悪いもの
その他、相性の悪いものとして次のようなものがあります。
・ヒレをかじるスマトラと、ヒレの長い熱帯魚。
・ディスカスなど表面積の大きい熱帯魚と、それに張り付くプレコ。

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