アクアリウム熱帯魚を買いに行こう

1.パイロットフィッシュ

熱帯魚を買う前に、注意が1つあります。それは、セットしたでの水槽に、いきなりたくさんの熱帯魚を入れない、ということです。セットしたてのろ材には、まだろ過バクテリアがほとんどいません。これに数匹の熱帯魚を入れることで、そのフンを栄養源としてろ過バクテリアがどんどん増えていくのです。そこで最初は必ず熟帯魚を数匹だけに抑え、しばらくしてろ過バクテリアが増えてから、少しずつ買い足していくようにして下さい。この時、真っ先に水槽に入れる魚のことを、パイロットフィッシュとかスターティングフィッシュと呼んでいます。パイロットフィッシュには、丈夫なコイ科の熱帯魚が選ばれることが多く、特に値段の安いアカヒレやゼブラダニオなどが定番です。また、水草は水質を安定させる力があるので、セット時から植えておくとよいでしょう。

2.よいショップ選び

はじめての人にとって、よいショップとは、ずばり「初心者に親切に説明してくれるショップ」です。いろんなショップで、どんどん質問をしてみて下さい。信頼できる行きつけのショップを作ることは、その後たいへん役立ちます。熱帯魚には専門の医師がいません。病気を治すには、飼い主の判断とショップの人のアドバイスで、投薬や治療をするしかないからです。

3.健康な熱帯魚を選ぶ

熱帯魚を買う時は、とにかく健康なものを選ぶことが重要です。次のような特徴が見られたら、病気だったり弱っていたりすることが考えられるので気をつけましょう。
●体に異状が見られるもの
・体に白い点がついている。
・体に薄く白い股が張っている。
・鼻先、目、ヒレなどに血がにじんでいる。
・スリ傷がたくさんついている。
・腹が異状にふくらんでいる。
・目が白く濁っている。
・目が飛び出している。
・ヒレの先が溶けかけている。
・先天的に奇形(エラが欠けていたり、背骨が曲がっていたりする)。
●元気がないもの
・泳ぎ方がおかしい。
・エラーツと横倒しになったり、おなかを上にしたりしている。
・呼吸がやたらに速い。
・一匹だけ群れを離れて、しっとしている。
●入荷直後でないもの
ショップに並ぶまでの長い間、熱帯魚たちは飛行機やトラックに揺られて絶食しているのが普通です。そのため、入荷直後のものが弱っているのは仕方がないといえます。そこで、できれば入荷してから何日かたち、落ち着いたものを買って下さい。ショップの人に「これはいつ入荷したものですか?」と聞けば教えてくれます。はじめのうちは、なかなかそこまで気が回らないでしょうが、入荷直後でないものを選べる余裕ができれば、ベテランに近づいたといえます。ただ、こういうことは丸覚えしたりメモしたりしなくても、慣れれば健康かどうかすぐに見分けがつくようになるものです。勉強のつもりでなるべく頻繁に、じっくりとショップの水槽を眺めて下さい。楽しいし、見る目が養われるし、一石二鳥です。

4.熱帯魚の持ち帰り方

熱帯魚を買うと、ショップではビニール袋に酸素と水を一緒に詰めて渡してくれます。さらに保温や、熱帯魚のトゲなどで破れる事故の防止に、新聞紙とビニールで包んでくれるショップもあります。熱帯魚は酸素のおかげで1日くらいは酸欠にもならず運べますが、運ぶ時の注意点は次の2つ。熱帯魚の気持ちになって、運んであげて下さい。
●温度を保つ
ビニール袋に入った水は少量なので、すぐに外の温度の影響を受けます。熱帯魚が凍えたり茄だったりしないよう、冬や真夏は新聞紙と紙バッグを持ってショップに行きましょう。ビニール袋を新聞紙で包んで紙バッグに入れれば、かなり温度を保つことができます。また、真夏の自動車の車内は50℃近くになります。クーラーボックスを持って行くなどして下さい。
●揺らさず素速く
全く揺らさず運ぶのは無理としても、車なら静かに運転する、電車なら棚や床に置かず手に持つなどして、振動を避けるよう心がけて下さい。特にコリドラスなどは、揺らすと微毒を出す性質があるため、自分自身の毒で弱ってしまいます。

5.水槽に移すには?

温度合わせ

①温度合わせをする
家に戻ったら水槽の蛍光灯を消して、ビニール袋のまま水槽に浮かべて20~30分ほど置き、水の温度を合わせます。運び込まれた熱帯魚は、白っぽかったり黒ずんでいたりしていて心配になるかもしれませんが、落ち着けばもとの美しい色が戻ってきます。
②水合わせをする
次に袋の水を半分捨て、水槽の水を半分入れて10分ほど待って下さい。これは水槽の水に熱帯魚をなじませるためで、水合わせと呼んでいます。この水合わせは、水質に敏感なディスカスやエビなどの場合、もっと少量ずつ時間をかけてする必要があります。エアーチューブを使い、点滴の要領で水槽の水を移すとよいでしょう。

熱帯魚だけを入れる

③熱帯魚だけを入れる
水合わせが終わったら、熱帯魚だけすくって、水槽に放しましょう。ビニール袋の水は、水槽には入れないで下さい。運ぶ途中にフンなどでかなり汚れているはずですし、ショップによっては薬が入っていたりすることもあるからです。熱帯魚を放したあと、様子を見て落ち着いたようなら、蛍光灯をつけます。買ってきた当日は、エサを与えない方がよいでしょう。

ペーハーショックについて

Q 熱帯魚を買ってきて水槽に移したところ、急に苦しそうになり、2日後に死んでしまいました。なぜですか。

A おそらくペーハーショックのためでしょう。水のペーハーが大きく異なる環境にいきなり熱帯魚などを移すと、粘膜やエラを痛め、肌荒れを起こしたり呼吸困難になったりします。ひどい時は、そのまま死んでしまうこともあり、こういったことをペーハーショックと呼んでいます。ペーハーショックに弱いのは、ディスカスやエビの仲間で、特にエビはあっという間に死んでしまうので要注意。あらかじめ粘険保護剤(アクアセイフやストレスコートなど)を入れておくと、ショックをやわらげる効果があります。しかし何よりゆっくり水合わせをすれば防ぐことができるものなので、時間をかけて行なうようにして下さい。
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