アクアリウムエサは必ずいろいろなものを与えよう

保存がきく人工飼料が開発されたおかげで、熱帯魚の飼育はとてもポピュラーになりました。熱帯魚の主食には、人工飼料が最適です。さらに栄養のバランスをとるために、乾燥エサや冷凍エサなど、他のものも与えて下さい。熱帯魚の多くは雑食性、自然界では様々なものを食べているため、人工飼料だけでは、栄養が偏ってしまいます。ちょうどよいエサの量や回数ですが、これは経験を積んで覚えるしかありません。目安として、1回5分間で食べつくすぐらいの量がよいと、よくいわれます。食べ残しがあるようなら与え過ぎで、少な目に感じるくらいが、ちょうどよいでしょう。はじめての人はエサのやり過ぎによる水質悪化によって、熱帯魚を殺してしまうことが多いので、気をつけて下さい。エサは通常、1日朝晩2回、与えましょう。

人工飼料もいろいろ

雑食魚用、草食魚用、肉食魚用、テトラ用、ディスカス用、プレコ用など、実にたくさんの種類が市販されています。飼っている熱帯魚に合わせて、選んで下さい。エサの形状は、次のようなタイプに分かれています。

●フレークタイプ

紙のように薄く、はじめは水に浮きますが、そのうちひらひら沈むタイプ。エサを追いかける熱帯魚に向き、最も一般的です。

●ペレット(顆粒)タイプ

ボリュームがあり、中~大型魚向き。水に浮くものと、沈むものがあります。

●タブレット(錠剤)タイプ

底に沈めたり、水槽に張りつけたりする、錠剤の形をしたタイプ。コリドラスなど水底で生活する底魚や、つついてエサを食べる魚に向いています。

生きエサについて

生きエサは熱帯魚が夢中になって食べるので、拒食症の熱帯魚に与えるとたいへん効果的です。ただし生きエサばかり与えると人工飼料に見向きもしなくなり、栄養のバランスを崩すことも。必ずいろいろなものを与えるようにして下さい。また、イトミミズやアカムシの場合、病原菌や寄生虫を持ち込む可能性があります。買ってきたらまず、ほぐしながら水道水で、よく洗いましょう。生きた魚を食べるカエルアンコウやタツノオトシゴは、最初は生きたエビやイサザアミを与える。なれてきたら、これらの生きたエサをピンセットではさんで食べるように練習しよう。ピンセットからエサを食べるようになれば、餌付けはほぼ成功だ。あとは、冷凍エビや冷凍ブラインシュリンプなどをピンセットではさみ、魚の前に持っていき、生きているように揺らして食べさせよう。

●イトミミズ(イトメ)

熱帯魚が喜んで食べますが、これだけしか与えないと栄養的に少々問題があるようです。イトミミズは容器に水を入れてエアーレイションすれば、1週間くらい生きています。水は毎日、取り替えましょう。与える時は、専用のイトミミズ入れか、浅い小皿に入れて下さい。水槽に直接入れると、イトミミズが底砂に潜ってそこで腐り、アンモニアが大発生してしまいます。

●アカムシ

アカムシとは、ユスリカの幼虫(ボウフラ)です。熱帯魚が喜んで食べますが、殻が硬いので消化不良になる熱帯魚もいるので注意して。湿った新聞紙でくるんでビニール袋に入れ、冷蔵庫に入れれば、3~4日生きています。

●ブラインシュリンプ

稚魚の生育に最も適した、栄養価の高いエサ。エビの仲間で、休眠した卵(プラインシュリンプ・エッグ)の状態で売られています。卵はそのまま数年間保存でき、海水に入れてエアーレイションすると1日でふ化します。この幼生を、稚魚に与えて下さい。専用のふ化器も市販されています。ちなみにこれの大きくなったものが、「シーモンキー」です。

●金魚

大型魚には、生きた金魚やメダカをエサに与えることがあります。雑菌が多いので、別容器に水を入れて多めの塩とメチレンブルーで消毒してから与えましょう。

冷凍エサと乾燥エサ

●冷凍アカムシ

注意点は、生きているアカムシと同様。病原菌は冷凍しても休眠するだけなので、必ずよく洗って与えましょう。

●冷凍ブラインシュリンプ

ブラインシュリンプの成体が冷凍されています。

●冷凍ディスカスハンバーグ

牛のバツをベースにした、栄養価の高い冷凍エサ。ディスカス用ですが、エンゼルフィッシュなどのシクリッドにも向いています。最近は、冷凍保存しなくてもよい、チューブ式のものも市販されています。

●乾燥アカムシ

●乾燥イトミミズ

●クリル(乾燥オキアミ)

乾燥エサは保存がききます。いろいろなものと、一緒に与えて下さい。

無脊椎動物に与えるエサの種類とあげ方

無脊椎動物に与える工サは、大きく3つのグループに分けられる。
●リキッドタイプのエサ
●ポリプの小さいサンゴやシャコガイ、カンザシゴカイなどに与える。
●冷凍のブラインシュリンプやミジンコ
●ややポリプの大きなソフトコーラルやクラゲに与える。
●イカやエビなどの鮮魚貝類
●甲殻類の仲間やポリプの大きなサンエイソギンチャクに与える。
いずれのエサも与えすぎると水質を悪化させるので、与え過ぎに注意すること。また、リキッドタイプの工サを与えるときは、プロテインスキマーを使用すると水質の悪化が軽減できる。

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