ビオトープ 水辺の植物図鑑6

湿性植物2

抽水性の植物(水草)とは、根の部分が水中に浸った状態で育ち、草体の多くの部分が水面上に立ち上がった状態で育つ植物のことです(増水などの環境の変化で水位が急に高くなっても、すぐに枯れてしまうことはありません)。そのため、ミニ・ビオトープに使うと、全体の印象をかなり自然で魅力的な印象に高めてくれるのです。ただし、これらの抽水性の植物の中には、環境が艮すぎると巨大化し過ぎたり、殖え過ぎてしまうものがありますので、生育状態を見て、時々間引くとよいでしょう。

フウチソウ

イネ科
日本原産の1属1種の多年草。細い葉が風にたなびく姿が大変美しく親しまれている。別名『ウラバグサ』とも呼ばれ、葉のつけ根で裏と表が反転しており、本来裏となる面が表を向いている。丈夫で育てやすいが、乾燥に弱く、日当たりが強すぎると葉のつやがなくなる。

ベニチガヤ

イネ科
アジア、アフリカの温帯~熱帯に自生するチガヤの園芸品種。多年草。葉先が深紅に染まって大変美しい。性質は強健で育てやすく、寄せ植えなどでも使いやすい。

セキショウ

サトイモ科
日本の谷川の湿地に自生する多年草。細い葉に白色、黄色などの縦斑が入る。春に目立たない小さな白い花が咲く。育てやすく栽培は容易。水辺の植栽に適している。

アケボノアシ

イネ科
白い斑が入るアシの仲間。まっすぐに伸びる茎がしなだれ、風にそよぐ姿が涼しげな印象を与える。半日陰でも育つ丈夫な多年草で、秋に美しく紅葉する。

ススキ

イネ科
日本全国、日当たりのよい山野に自生。葉はあざやかな緑色で、冬には枯れる。かつては茅葺きの材料に利用された。同属別種のオギは水辺に生え、綿毛が純白になる。

チゴザサ

イネ科
本州中部以南に自生するササの斑入り種。あざやかな白のラインが不規則に入り、目を惹く。性質は強健で、株分けで殖やせる。庭の下草や寄せ植えの材料として重宝する。

ムラサキツユクサ

ツユクサ科
温暖な地域を中心に分布し、観賞用に栽培されている。花期は6~9月で、おもに青紫色の花をつける。花は短命だが、次々と咲くので、開花時期は絶え間なく花を楽しめる。

ネビキグサ(アンペライ)

カヤツリグサ科
水辺や湿地に生える多年草。本州の中部以西や東南アジアなどに自生する。茎葉は平たくなめらかで、先端は尖っていて硬い。縦に黄色いラインが入る斑入り種も人気。

サンカクイ

カヤツリグサ科
日本を含むユーラシア大陸全域に分布し、湿地や浅い水辺で生育する多年草。名前の通り、茎の断面は三角形で、イグサに似た形をしている。7~9月に葉の頂上付近に穂をつける。

カンガレイ

カヤツリグサ科
サンカクイによく似た水辺の植物。カンガレイのほうがやや大きく育ち、穂のつきかたでも区別できる。また、地下茎が横に這わず、密な株立ちの状態になりやすい性質を持つ。

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