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レビュー(Amazon.co.jp)
???京都に近いある町の造り酒屋の老主人・小早川万兵衛(二世・中村雁治郎)は、経営を娘夫婦(新珠三千代&小林桂樹)に任せて今は隠居の身。そんなある日、彼は偶然にも空襲で生き別れたかつての愛人(浪花千栄子)と再会し、彼女が経営する京都のお茶屋に通い始めるようになるが…。
???道楽者の老人の放蕩ぶりと、そんな彼に一喜一憂する家族の姿を描いた小津安二郎監督晩年の秀作の1本。珍しく松竹を離れ、東宝(東京宝塚撮影所)に招かれて撮ったことでも特筆される作品である。多分に軽妙な喜劇としての作りではあるが、最後には無常観とでもいった要素が濃密に漂うあたりはさすが。またそこには、死というものを身近に捉え始めた小津監督の想いのようなものも汲み取れよう。なお、本作の次に松竹へ戻って撮った『秋刀魚の味』を最後に小津監督は他界した。(的田也寸志)
???京都に近いある町の造り酒屋の老主人・小早川万兵衛(二世・中村雁治郎)は、経営を娘夫婦(新珠三千代&小林桂樹)に任せて今は隠居の身。そんなある日、彼は偶然にも空襲で生き別れたかつての愛人(浪花千栄子)と再会し、彼女が経営する京都のお茶屋に通い始めるようになるが…。
???道楽者の老人の放蕩ぶりと、そんな彼に一喜一憂する家族の姿を描いた小津安二郎監督晩年の秀作の1本。珍しく松竹を離れ、東宝(東京宝塚撮影所)に招かれて撮ったことでも特筆される作品である。多分に軽妙な喜劇としての作りではあるが、最後には無常観とでもいった要素が濃密に漂うあたりはさすが。またそこには、死というものを身近に捉え始めた小津監督の想いのようなものも汲み取れよう。なお、本作の次に松竹へ戻って撮った『秋刀魚の味』を最後に小津監督は他界した。(的田也寸志)
カスタマーレビュー
おすすめ度:
日本人の死生観を見つめる小津監督の眼
(2009-04-18)
61年公開で、遺作となった「秋刀魚の味」の1つ前の作品。小津監督作品としては珍しく関西が舞台で、関西弁での会話が心地よい。原節子が小津監督映画に出演した最後の作品で、前作「秋日和」同様、未亡人役の原節子が義理の妹役の司葉子の良き相談となる場面はある。2人が並ぶ場面は美しい。しかし、ストーリーの骨格をなすのは、伏見の造り酒屋の旦那で競輪にこって遊び暮らし、昔の浮気相手(浪花千栄子)と再会して通うようになる、頼りないけれどもどこか憎めない、一家の中心である「お父ちゃん」(二代目・中村鴈治郎)の生とあっけない死、そして遺族が故人を悼み、死ぬまで人間は悟れないものだ、あれほどしたい放題した人でも死んでしまえば何もかもしまいだという加東大介と杉村春子の会話が交わされる葬儀の場面だ。それまでの小津監督映画でも人の死は描かれてきたが、日本人の死生観にこれほどフォーカスした映画は私が知る限り他にはない。墓や火葬場の煙突のカットが多く挿入され、ちょっとだけ登場する笠智衆演じる農夫とその妻の交わす、「死んでも死んでもあとからせんぐりせんぐり生まれてくるわ」「そやなあ、よう出来とるわ」という立ち話が鮮烈に記憶に残る。タイトルは小早川家の秋だが、夏、せいぜい残暑の季節までの物語だから、タイトルには小早川家にとって古きよき時代の終わりだという意味を込めたのだろう。「おくりびと」にも通底する日本人の死生観を見守る小津監督の温かい視線を感じる映画だ。
短い夏のエピソード
(2009-01-04)
今回初めて小津の作品を見ましたが、はたしてこの作品を最初に見るのがいい入り方だったのかどうかわかりません。まず驚かされたのか、オールスター共演ともいうべき配役です。一瞬、「社長シリーズ」か「クレージー・キャッツ物」かと眼を疑ったほどです。第二に気がついたのがそのきれいな映像です。ディーテルが丁寧に描かれています。京都の花街の道路、造り酒屋の光景、そして家の中の小道具(台所、氷、蚊取り線香、障子、提灯、灯篭)などが細かに描かれています。そしてもっとも印象的だったのが、家紋です。これは家の中の道具にも浮き彫りにされており、小早川家の人々が身に着ける喪服にも使われています。そしてこの物語が短い時期の間の出来事を示すものとして、象徴的に使われているのが、全編を通じて、断続的に流れる蝉の声です。したがって話は、夏の間のエピソードであることが暗示されています。最後は川べりのシーンにカラスが出てくるというシュールなシーンもあります。もう一つ全編を通して繰り返し取り上げられるのが、司葉子と原節子の対話のシーンです。これは様々なシーンをバックにいろいろな角度から撮られています。どれも正確な場所はわかりませんが、美しいシーンが満載です。原節子は最後まで和服を捨てることはなく、司葉子の世代の価値観への理解を示しながらも、自分の生き方を変えることはありません。そして最後に残る印象は、笠智信の詠嘆に示される、季節と人間の移り変わりへの無常観です。
伝説的女優、原節子の最後の出演作品です。
(2008-03-13)
1960年公開作品(秋日和)に続き、女優の原節子が司葉子と共演をしたカラー作品(小早川家の秋)1961年公開作品、前作では親子という役柄であったのが、今作では姉妹役、言われるとそう見えてしまうのが、不思議ですね、この時、女優の原節子は40代前半ですが、まだまだ美しいです、ですが、これが女優、原節子の最後の出演作品となりました、カラー作品は上記の2作品だけ、残念ですね、時代の流れの中、財を失いつつある小早川家の頼みの綱は未亡人となった娘と年頃の美しい2人の娘、良縁で家を助けてもらおうと画策しますが、その矢先に当主である父親が急死、といった内容、古民家や町並み、そして、俳優さんたちのメイクに時代を感じます、評価はまあまあといった所でしょうか。
豪華絢爛映画小津安二郎映画.。
(2007-10-30)
小津安二郎監督。1961年作品。
偉大なる主人公は大阪の造り酒屋の主、中村鴈治郎である。好き勝手に生きて、過去の身上(しんしょう)をつぶしてきた遊び人である。かれを中心にしてドラマは展開する。
19年ぶりに出会った愛人は浪速千栄子。
あの時代において可憐なる三大女優、原節子、司葉子新珠三千代を娘役にして、小林佳樹、さらに加藤大助、さらに杉村春子、おまけに小津が愛した笠智衆を配するという豪華キャスト。これだけで圧倒される。中村鴈治郎はは狭心症を2回おこし見事に死んでしまう。とにかくすごいですよ。
松竹では作れなかった映画だ。
夏・蝉の鳴く声
(2007-06-03)
「秋」とタイトルにありますが、蝉の鳴く声が充満する映画です。ラストのカラスと不気味な好対照をなしている。
成瀬の「女の中にいる他人」の夫婦(小林桂樹と新珠三千代)がここにも出ている。
キャストが素晴らしい。
おすすめ度:
日本人の死生観を見つめる小津監督の眼
61年公開で、遺作となった「秋刀魚の味」の1つ前の作品。小津監督作品としては珍しく関西が舞台で、関西弁での会話が心地よい。原節子が小津監督映画に出演した最後の作品で、前作「秋日和」同様、未亡人役の原節子が義理の妹役の司葉子の良き相談となる場面はある。2人が並ぶ場面は美しい。しかし、ストーリーの骨格をなすのは、伏見の造り酒屋の旦那で競輪にこって遊び暮らし、昔の浮気相手(浪花千栄子)と再会して通うようになる、頼りないけれどもどこか憎めない、一家の中心である「お父ちゃん」(二代目・中村鴈治郎)の生とあっけない死、そして遺族が故人を悼み、死ぬまで人間は悟れないものだ、あれほどしたい放題した人でも死んでしまえば何もかもしまいだという加東大介と杉村春子の会話が交わされる葬儀の場面だ。それまでの小津監督映画でも人の死は描かれてきたが、日本人の死生観にこれほどフォーカスした映画は私が知る限り他にはない。墓や火葬場の煙突のカットが多く挿入され、ちょっとだけ登場する笠智衆演じる農夫とその妻の交わす、「死んでも死んでもあとからせんぐりせんぐり生まれてくるわ」「そやなあ、よう出来とるわ」という立ち話が鮮烈に記憶に残る。タイトルは小早川家の秋だが、夏、せいぜい残暑の季節までの物語だから、タイトルには小早川家にとって古きよき時代の終わりだという意味を込めたのだろう。「おくりびと」にも通底する日本人の死生観を見守る小津監督の温かい視線を感じる映画だ。
短い夏のエピソード
今回初めて小津の作品を見ましたが、はたしてこの作品を最初に見るのがいい入り方だったのかどうかわかりません。まず驚かされたのか、オールスター共演ともいうべき配役です。一瞬、「社長シリーズ」か「クレージー・キャッツ物」かと眼を疑ったほどです。第二に気がついたのがそのきれいな映像です。ディーテルが丁寧に描かれています。京都の花街の道路、造り酒屋の光景、そして家の中の小道具(台所、氷、蚊取り線香、障子、提灯、灯篭)などが細かに描かれています。そしてもっとも印象的だったのが、家紋です。これは家の中の道具にも浮き彫りにされており、小早川家の人々が身に着ける喪服にも使われています。そしてこの物語が短い時期の間の出来事を示すものとして、象徴的に使われているのが、全編を通じて、断続的に流れる蝉の声です。したがって話は、夏の間のエピソードであることが暗示されています。最後は川べりのシーンにカラスが出てくるというシュールなシーンもあります。もう一つ全編を通して繰り返し取り上げられるのが、司葉子と原節子の対話のシーンです。これは様々なシーンをバックにいろいろな角度から撮られています。どれも正確な場所はわかりませんが、美しいシーンが満載です。原節子は最後まで和服を捨てることはなく、司葉子の世代の価値観への理解を示しながらも、自分の生き方を変えることはありません。そして最後に残る印象は、笠智信の詠嘆に示される、季節と人間の移り変わりへの無常観です。
伝説的女優、原節子の最後の出演作品です。
1960年公開作品(秋日和)に続き、女優の原節子が司葉子と共演をしたカラー作品(小早川家の秋)1961年公開作品、前作では親子という役柄であったのが、今作では姉妹役、言われるとそう見えてしまうのが、不思議ですね、この時、女優の原節子は40代前半ですが、まだまだ美しいです、ですが、これが女優、原節子の最後の出演作品となりました、カラー作品は上記の2作品だけ、残念ですね、時代の流れの中、財を失いつつある小早川家の頼みの綱は未亡人となった娘と年頃の美しい2人の娘、良縁で家を助けてもらおうと画策しますが、その矢先に当主である父親が急死、といった内容、古民家や町並み、そして、俳優さんたちのメイクに時代を感じます、評価はまあまあといった所でしょうか。
豪華絢爛映画小津安二郎映画.。
小津安二郎監督。1961年作品。
偉大なる主人公は大阪の造り酒屋の主、中村鴈治郎である。好き勝手に生きて、過去の身上(しんしょう)をつぶしてきた遊び人である。かれを中心にしてドラマは展開する。
19年ぶりに出会った愛人は浪速千栄子。
あの時代において可憐なる三大女優、原節子、司葉子新珠三千代を娘役にして、小林佳樹、さらに加藤大助、さらに杉村春子、おまけに小津が愛した笠智衆を配するという豪華キャスト。これだけで圧倒される。中村鴈治郎はは狭心症を2回おこし見事に死んでしまう。とにかくすごいですよ。
松竹では作れなかった映画だ。
夏・蝉の鳴く声
「秋」とタイトルにありますが、蝉の鳴く声が充満する映画です。ラストのカラスと不気味な好対照をなしている。
成瀬の「女の中にいる他人」の夫婦(小林桂樹と新珠三千代)がここにも出ている。
キャストが素晴らしい。

